明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
今回はこれまで続けてきた「いばら姫」を解説します。
おとぎ話を夢解き風に解説し、
話のダイナミズムが夢と同じ効果を持っているという解説をしています。
では、「グリム童話『いばら姫』を夢と解く12」('14/12/30) の続きを。
13
王子はいばら姫のあまりの美しさに驚いて、
身をかがめると姫にキスをしました。
するとそのとたん、
姫は目をさましました。
そして王と妃も、
城じゅうの家来たちも、
馬や犬も、
屋根の鳩も、
壁の蝿も目をさましました。
かまどの火は起きて、
ぱちぱちと燃えて食べものを煮込みました。
焼き肉はまたじゅうじゅう音をたてはじめました。
料理番は小僧の横っつらをはたきました。
女中はニワトリの羽をむしり終えました。
それから王子といばら姫の結婚式が祝われました。
そしてふたりは死ぬまで楽しく暮らしました。
ー終わりー
とてもロマンチックな文章が続きます。
王子は姫の美しさに酔います。
美しい姫に心奪われる王子。
何と言うことの無い常の話と思われますか。
そしてキスをする。
ここに来て読み手、聞き手はちょっと鼻白む思いになりますか。
この2行はとても大切な情動のプロセスです。
これが無ければ半身の異性を目覚めさせることはできません。
両親の呪縛で眠りこけている姫に、
霊性の大切さを知るきっかけを提供するには、
この世の体験に身を呈してぶつかって行ける男性性が必要です。
姫の美しさは世間の評判でした。
ふたつある性のうちの男性を選んだ王子は、
更に自分が体験から得た老成した叡智の後押しを受けて、
美しさ、異性の美点を獲得する重要性を理解しました。
ここまで辿り着く王子の努力は、
進取の気質を持った彼の理性が先導して辿り着いた地点です。
眠りこけた異性の姫を前にして、
姫の秘めた美しさに感動を覚えます。
姫とのやり取りはまだありませんが、
美しさの存在を確信するのです。
異性は自分の美しさを表に出す道を造ってくれる存在とも言えます。
理性が教えてくれた半身に辿り着いたとき、
そこで体験できたのは自分の大きな感動です。
この感動には実感があります。
実感は王子に取って実体なのです。
見るとは認識すること、
認識するとは理解すること。
判断ではなく美しいと自分が感じるものが、
情動を教えてくれて自分の本質、
本質の在処、
霊が住むところを教えてくれました。
姫を美しいと思うのは、
王子の中に姫を美しいと思う基盤が必要です。
その基盤が霊性が住むところです。
そこに触れたいと王子は思ったのです。
自分の身体の中で繊細な部分。
それも理性に遠くないところにある鋭敏さで触れたいと思ったのです。
王子は自分の唇を姫の唇に触れさせたいと思いました。
これは理性ではなく魂と感情がひとつになって起こせた行動です。
もっと正確に言うなら、
霊性の望みを感動が教えてくれたので、
霊性が望む行動に出られたと言って良いでしょう。
このお話は講座では女の自立の第一移行段階と説明しています。
母と一体であった娘が母から自立し、
自己の自律を得て行くプロセスの一番はじめの段階です。
つまり異性への興味は、
親では埋められない空虚を知ることで起こります。
異性を求める気持ちは、
霊性の発達を望む自分のスピリットそのものの願いだと知る訳です。
王子のキスが無ければ、
自分の中に眠るもろもろは目を覚ましません。
ここに挙げられているものたちは、
ひとりの人間のあらゆる機動力であり、
エネルギーの現れです。
人間として生きて行くために使える技であり、
能力とも言えるでしょう。
『いばら姫』は心の成長の初期段階を表しているお話です。
それも女性の霊的成長であり、
男性の女性性の部分の成長を教えてくれるお話です。
わたしたちの心を掴んで離さない多くの遺産として残っている昔話は、
このように性的です。
言い古された言葉ですが、
性なるものが最も聖なるもの。
いにしえ人が残してくれた遺産です。
おいおい次の段階のお話も解説して行きたいと思っています。
2015年01月06日
グリム童話『いばら姫』を夢と解く13
posted by 天の鳥船庵 at 11:32
| 夢のメッセージの取り方
2014年12月30日
グリム童話『いばら姫』を夢と解く12
今年最後のブログアップになります。
これを読んで下さるみなさま、ありがとうございました。
わたしは今年後半から息切れ状態が続いています。
外側は代わりのない毎日なのに、
心模様はより強固になるよう促されています。
心を揺らしてもそのことが更に芯を強くしてくれているのは感じますが、
「ちょっと休みたい。ちょっと勘弁してよ。神さま!」状態です。
それはそれとして希望はますます強く大きく、
将来への展望は輝きを増しています。
その気持ちの高揚をもたらしてくれたのが、
5月から始まった本づくりでした。
タイトルは仮ですが、
『夢療法〜人生が輝く夢の読み方活かし方』
コスモトゥーワン
1月下旬か2月に店頭に並びます。
良いお年をお迎え下さい。
では、「グリム童話『いばら姫』を夢と解く10」('14/12/16) の続きに。
12
そして王子は進んでいきましたが、
王子がいばらのやぶに近づくと、
一面に花が咲いていました。
それが分かれて、
王子がそのあいだを通っていくと、
うしろはまたいばらのやぶになりました。
こうして城の中に入って行くと、
中庭では馬が横になって眠っていました。
ぶちの猟犬も眠っていました。
屋根の上には鳩がとまって、
頭を羽の下につっこんでいました。
中へ入っていくと、
蝿が壁にとまって眠っていました。
台所の火も料理番も女中も眠っていました。
さらに奥に入っていくと、
家来たちがのこらず横になって眠っていました。
もっと先に行くと、
王と妃が眠っていました。
あまりに静かで、
自分の息が聞こえるほどでした。
そしていよいよ古い塔のところへやってきました。
そこには、いばら姫が横になって眠っていました。
これまでの解説に倣って、
「王子がいばらのやぶに近づくと、
一面に花が咲いていました」のところを考えてみましょう。
進取の気概ある王子は、
こまごました手順や約束事やあれこれを、
丁寧に取り組んで行くと、
花が咲いているのを目にするのです。
つまり、自分の目的(自分の異性と出会うと言うこと)が
ちゃんとわかっていて、
自分がすべきことをおろそかにせず、
一歩一歩進んで行くと、
世界が花開いて見えるのだと納得しています。
「花が咲く」とは神さまからの承認とも受け取れ、
目に移るものがみな美しく見える心情を言います。
つまり、王子はこの道程を美しいもの、
ありがたいもの、感謝の念をもって見ることが出来ています。
では、ここでも卑近な例えを使いましょう。
結婚したいという人がその目的を実行に移そうとすると、
結婚相談所に行ったり、
知人友人にその意を知らせたり、
あるいは心身を整えるために勉強したり、
施術をしてもらったり。。。。
目的に真っすぐに辿り着くかどうかわからない手順が必要になってきます。
訪れた先の結婚相談所の係員がどのような人で、
その仕事をどう思いながら従事しているのだろうか。
嬉々として話を聞いてくれてほっとした。
「良い人がいたら紹介して」と頼んだあの人は、
意外に熱心に受け止めてくれて安心した。
いつなんどきそんな人が表れるかもしれないので、
いつでもお目にかかれるように体調を整えておこう、などなど。
まわりの様子を観察しながら、
この道程を楽しむ余裕が欲しいものです。
王子の態度はそのようだったと思われます。
王子が自分の道を進んで行くと、
うしろはやぶになります。
薮で塞がれれば前にしか進めません。
後退の道はないのです。
前進をはじめたら後退はあり得ない。
王子は覚悟を決めています。
結婚願望の方々は、
直ぐに後退をはじめます。
「結婚しなくても人生だし、
高が相手を捜すだけのこと。
こんなに苦労するとは割が悪い」、
前進しない言い訳は直ぐにでも考えつきます。
前進し続ける覚悟ができません。
自分で一旦決めたことは、
前進し続けるだけだと腹の決まった王子は、
うしろが薮になって戻れなくても驚きません。
だから城に入ることができました。
城の中では息あるものすべてが眠りこけています。
城の内も外も脈動するすべてがいのちを生きず、
魂を眠らせている訳です。
自分の半身の女性性も魂を眠らせている状態です。
古い塔のところまで王子は行き着くことで姫を見いだします。
古い塔というのは、
第六チャクラと第七チャクラの高い霊性を指します。
ここは第4チャクラのハートセンターを昇り抜け、
自分の辿る道は自分を明かす道だと、
確信を持った第5チャクラを抜けて辿り着ける霊性を言います。
まとめると一旦決めたことは迷わずやり抜くことですが、
道々の景色を眺めやることで、
自分がいかに愛された存在かを実感できて前進します。
それが確認できれば、
これまでの過去の道が閉ざされていることなど気になりません。
前進し続けることで視野を広げることができ、
自分の人生を大局的に考えられるところに到達したからこそ、
伴侶に出会うことができたのですから。
結婚したいと言う動機が、
はじめはどうあれ、
深く考え抜き、
それを行動に移し、
さまざまな体験を通り抜けるうちに、
その動機そのものが、
深く霊性に則った望みであったと合点できたとき、
ふさわしい伴侶である半身に出会うということのようです。
ーつづくー
これを読んで下さるみなさま、ありがとうございました。
わたしは今年後半から息切れ状態が続いています。
外側は代わりのない毎日なのに、
心模様はより強固になるよう促されています。
心を揺らしてもそのことが更に芯を強くしてくれているのは感じますが、
「ちょっと休みたい。ちょっと勘弁してよ。神さま!」状態です。
それはそれとして希望はますます強く大きく、
将来への展望は輝きを増しています。
その気持ちの高揚をもたらしてくれたのが、
5月から始まった本づくりでした。
タイトルは仮ですが、
『夢療法〜人生が輝く夢の読み方活かし方』
コスモトゥーワン
1月下旬か2月に店頭に並びます。
良いお年をお迎え下さい。
では、「グリム童話『いばら姫』を夢と解く10」('14/12/16) の続きに。
12
そして王子は進んでいきましたが、
王子がいばらのやぶに近づくと、
一面に花が咲いていました。
それが分かれて、
王子がそのあいだを通っていくと、
うしろはまたいばらのやぶになりました。
こうして城の中に入って行くと、
中庭では馬が横になって眠っていました。
ぶちの猟犬も眠っていました。
屋根の上には鳩がとまって、
頭を羽の下につっこんでいました。
中へ入っていくと、
蝿が壁にとまって眠っていました。
台所の火も料理番も女中も眠っていました。
さらに奥に入っていくと、
家来たちがのこらず横になって眠っていました。
もっと先に行くと、
王と妃が眠っていました。
あまりに静かで、
自分の息が聞こえるほどでした。
そしていよいよ古い塔のところへやってきました。
そこには、いばら姫が横になって眠っていました。
これまでの解説に倣って、
「王子がいばらのやぶに近づくと、
一面に花が咲いていました」のところを考えてみましょう。
進取の気概ある王子は、
こまごました手順や約束事やあれこれを、
丁寧に取り組んで行くと、
花が咲いているのを目にするのです。
つまり、自分の目的(自分の異性と出会うと言うこと)が
ちゃんとわかっていて、
自分がすべきことをおろそかにせず、
一歩一歩進んで行くと、
世界が花開いて見えるのだと納得しています。
「花が咲く」とは神さまからの承認とも受け取れ、
目に移るものがみな美しく見える心情を言います。
つまり、王子はこの道程を美しいもの、
ありがたいもの、感謝の念をもって見ることが出来ています。
では、ここでも卑近な例えを使いましょう。
結婚したいという人がその目的を実行に移そうとすると、
結婚相談所に行ったり、
知人友人にその意を知らせたり、
あるいは心身を整えるために勉強したり、
施術をしてもらったり。。。。
目的に真っすぐに辿り着くかどうかわからない手順が必要になってきます。
訪れた先の結婚相談所の係員がどのような人で、
その仕事をどう思いながら従事しているのだろうか。
嬉々として話を聞いてくれてほっとした。
「良い人がいたら紹介して」と頼んだあの人は、
意外に熱心に受け止めてくれて安心した。
いつなんどきそんな人が表れるかもしれないので、
いつでもお目にかかれるように体調を整えておこう、などなど。
まわりの様子を観察しながら、
この道程を楽しむ余裕が欲しいものです。
王子の態度はそのようだったと思われます。
王子が自分の道を進んで行くと、
うしろはやぶになります。
薮で塞がれれば前にしか進めません。
後退の道はないのです。
前進をはじめたら後退はあり得ない。
王子は覚悟を決めています。
結婚願望の方々は、
直ぐに後退をはじめます。
「結婚しなくても人生だし、
高が相手を捜すだけのこと。
こんなに苦労するとは割が悪い」、
前進しない言い訳は直ぐにでも考えつきます。
前進し続ける覚悟ができません。
自分で一旦決めたことは、
前進し続けるだけだと腹の決まった王子は、
うしろが薮になって戻れなくても驚きません。
だから城に入ることができました。
城の中では息あるものすべてが眠りこけています。
城の内も外も脈動するすべてがいのちを生きず、
魂を眠らせている訳です。
自分の半身の女性性も魂を眠らせている状態です。
古い塔のところまで王子は行き着くことで姫を見いだします。
古い塔というのは、
第六チャクラと第七チャクラの高い霊性を指します。
ここは第4チャクラのハートセンターを昇り抜け、
自分の辿る道は自分を明かす道だと、
確信を持った第5チャクラを抜けて辿り着ける霊性を言います。
まとめると一旦決めたことは迷わずやり抜くことですが、
道々の景色を眺めやることで、
自分がいかに愛された存在かを実感できて前進します。
それが確認できれば、
これまでの過去の道が閉ざされていることなど気になりません。
前進し続けることで視野を広げることができ、
自分の人生を大局的に考えられるところに到達したからこそ、
伴侶に出会うことができたのですから。
結婚したいと言う動機が、
はじめはどうあれ、
深く考え抜き、
それを行動に移し、
さまざまな体験を通り抜けるうちに、
その動機そのものが、
深く霊性に則った望みであったと合点できたとき、
ふさわしい伴侶である半身に出会うということのようです。
ーつづくー
posted by 天の鳥船庵 at 21:03
| 夢のメッセージの取り方
2014年12月16日
グリム童話『いばら姫』を夢と解く11
「グリム童話『いばら姫』を夢と解く10」('14/12/3) の続きです。
本題に入る前に近々出版となる本の話をしましょう。
現在購入戴ける坂内慶子の夢解きの本がありません。
それがやっとお届けできることになりました。
とはいえ出版は来年1月下旬から2月に掛けてです。
出版社はコスモトゥーワン(http://www.cos21.com)
タイトルは仮ですが、
『夢療法〜人生が輝く夢の読み方活かし方』です。
多くの方々に平易に夢を理解していただけるように、
また夢を日々に活かせるようにと心砕いて本にしました。
楽しみにお待ちいただけたらと願っています。
では、「いばら姫」の話に。
11
あるとき、ひとりの王子がこの国を旅してきました。
その王子にひとりの年寄りが、
このいばらのやぶの向こうに城があって、
とても美しいお姫さまが、
城じゅうの家来とともに眠っているというという話をしました。
またその年寄りがおじいさんから聞いた話では、
これまでにもたくさんの王子がやってきて、
通り抜けようとしたけれど、
いばらに引っ掛かり、
棘に刺さって死んでしまったということでした。
「そんなこと、
ぼくはこわくはない」、
王子は言いました、
「やぶをかき分けて、
美しい姫を救い出してこよう」。
この「いばら姫」の物語が伝えたい大切ことが、
「そんなこと、
ぼくはこわくはない」
と、いう言葉です。
この言葉がどれほど重要かを、
これからしつこく説明しましょう。
人生はチャレンジです。
変化を恐れていてはチャレンジはできません。
チャレンジが無ければ変化もなく、
変化が無ければ成長もありません。
成長がこの人生の意義で、
冒険を求めて成長して行くのがこの人生の目的だからです。
そこでこの「ぼくはこわくない」という言葉が重要になります。
冒険はそれまでと違う世界に自分を投げ入れることです。
誰でも挑戦するには王子のこの言葉までの段取りが必要です。
その段取りがなくて挑戦しても上手くいかないでしょう。
この王子が成功に至ったのはここでこの言葉が口からでたからです。
この言葉を発せられるだけに充分に準備が整っていたからです。
この言葉を発せられる心境になってはじめて挑戦が可能だからです。
人は挑戦を怖がります。
夢の勉強に取り組んで、
夢の伝える意味を汲むのはそれに比べて簡単だし、
わかり易いし、だから納得もできます。
自分が取り組むべきは「成る程これなのだ」と、
いくつかの夢の意を紐解けばわかってきます。
けれどいざ夢のメッセージを行動に移す段になると怖じ気づいて、
それまでの勉強を活かすことが出来ません。
どうして挑戦を、チャレンジを、
あるいは変化を怖がるのでしょう。
もちろん変化を許すとは、
慣れ親しんでいない状態に適応できる自分を信じることなのですが、
ここで多くの人は足踏みするばかりとなります。
一歩を踏み出すことが出来ません。
そこで、この王子を見習いましょう。
王子はまず挑戦に先立ち何をしたでしょうか。
彼は自分の国から出て、
知らない国を旅してやってきました。
「あるとき、ひとりの王子がこの国を旅してきました。」を、
たくさんの国を旅していた途中にこの国にやってきたと読んでみましょう。
自分から問題に挑む心の筋力をつけるには、
知らない世界を知ろうというオープンな心が必要です。
これを読まれて、
それはむずかしいと思われ、
オープンな心を自分は持つことはなかったと思われますか。
わたしたちは学校に行くことで、
小さいながら他国への旅をしてきました。
人の集まりの枠が変わると、
価値観も評価も変わるものだとどこかで気付きませんでしたか。
幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学と枠はどんどん変わります。
そのどこかで人の評価は枠に依って変わるものだと悟ったでしょう。
これは大切な悟りです。
たとえいじめにあったとしても、
それはその枠だけのこと。
枠から出てしまえば、
いじめは追いかけてきません。
記憶だけがいじめをあったことにします。
「旅」に込められた象徴は、
このようにひとつの体験に執着しない心構えを教えています。
次に、挑戦するための課題に出会って行くのですが、
王子は情報収集が的確です。
情報提供者は「年寄り」です。
男性で人生を長く生きてきた人生の先輩です。
年寄りは「その年寄りがおじいさんから聞いた話」までしてくれます。
これは情報が確かなもので、
長い年月に依って精査されているという暗喩です。
情報提供者は男性性の優れた者である必要があります。
つまり挑戦するには、
その課題を男性性の特徴である分析的に順序立てて理解する必要があります。
ちなみに余談ですが、
夢ではこの段階を咀嚼や料理として場面構成をする場合があります。
王子が知る必要のあることは、
美しい姫がお城の中に眠っていること。
つまり直面すべき、獲得すべき課題は、「美しいお姫さま」です。
「美しい」とは恩寵深い存在だと言うこと。
「お姫さま」とは自分の片割れ。
異性のこと。
つまり、自分が統合すべき恩寵深い半身の存在です。
その存在に気付く必要が無ければ、獲得という冒険、
つまりチャレンジは出来ません。
異性が大切で、
それと直面することが大事だと納得できたのがこのときの王子でした。
何故納得できたか?
その情報が年寄りから自分に向けてもたらされたからです。
ここで言う年寄りに込められた意味は智慧のことでしょう。
年寄りとは、
この世への欲も得も遥かなものになった人のことです。
年寄りとは、
欲を超えて智慧を後世に伝える存在です。
智慧あるものは言います。
挑戦者はこれまでにたくさんいたと。
これで挑戦に失敗したものの情報を王子は得ていたことがわかります。
失敗の原因は、
「いばらに引っ掛かり、棘に刺さって死んでしまった」からです。
いばらの棘とは何でしょう。
道を塞ぐ雑多なことごと。
道々こまごまとした煩わしいことがいくつもありますす。
人生の道を歩いているつもりが、
その雑多なことに気を取られ、
本来の目的、霊性を磨き成長して行くことという目的を忘れます。
例え自己の伴侶に出会ったとしても、
本来の目的を忘れてしまえば、
その伴侶は「美しいお姫さま」ではないことになります。
人生の目的を知ることが無ければ生きて死んでいることと同じです。
しっかりした真実の情報を得ることのできた王子は言います。
「そんなこと、
ぼくはこわくはない」と。
「こわくない」と言えるのは怖いことを知っている証拠です。
怖いことを視野に入れながら、
怖いことに油断せずにいようと自分に言い聞かせることが出来てはじめて、
「こわくない」と言えます。
ここまでを卑近な例でお話すると、
夢のメッセージを行動に移す前に、
多くの人は年寄りが心の中に存在させられていないように思います。
「年寄り」とは繰り返しますが、
欲得なく霊性だけで判断できる分析力のある智慧を言います。
例えば、結婚したいと言う願望は霊性の願いです。
この霊性の願いを霊性が望むことだから叶えようとすれば、
「年寄り」の登場を待たなくてはなりません。
しかし結婚願望を霊性の願望と考えることが出来ません。
結婚したいと言う願望が出てきても、
「年寄り」の登場を待たずに、
子供の要求と考えたりします。
すると子供ですから恐怖のままに結論を出したがります。
幼稚な子供のまま、
出来る訳が無いとか、
異性が怖いと短絡的に考えるだけで、
願望を形にしようと挑む姿勢を取れません。
「年寄り」は王子の願いを叶えるためのサポート役を務めます。
その為の年寄りの側面をしっかり打ち立てなければ、
成長のための挑戦には出られません。
多く人はこの挑戦の前で足踏みをし続けます。
そうなると考え深くさせられる失敗もない代わり、
成功はもとよりありません。
何もしないと言う選択は感性を鈍らせることになります。
「やぶをかき分けて、
美しい姫を救い出してこよう」という王子の言葉には、
彼が挑戦し続ける間目的を忘れないと言う決意を読み取れます。
「やぶ」の中では、視界が悪くなります。
視界は目に見えないと言う意味ですが、
それは比喩で目的を見失うという意味でもあります。
「やぶ」をかき分けている間に目的を見失う訳です。
結婚したいという思いを叶えるには、
世事に疎くては実行に移せません。
枝葉末節と思えることにも忍耐と努力が必要になります。
「やぶをかき分けて、
美しい姫を救い出してこよう」と言う言葉の前半で、
自分のやるべき目の前のことを自分に言い聞かせ、
後半で目的が叶ったときのイメージを確認しています。
今回は冒険の前にすべきことをしっかり並べてお話しました。
ーつづくー
本題に入る前に近々出版となる本の話をしましょう。
現在購入戴ける坂内慶子の夢解きの本がありません。
それがやっとお届けできることになりました。
とはいえ出版は来年1月下旬から2月に掛けてです。
出版社はコスモトゥーワン(http://www.cos21.com)
タイトルは仮ですが、
『夢療法〜人生が輝く夢の読み方活かし方』です。
多くの方々に平易に夢を理解していただけるように、
また夢を日々に活かせるようにと心砕いて本にしました。
楽しみにお待ちいただけたらと願っています。
では、「いばら姫」の話に。
11
あるとき、ひとりの王子がこの国を旅してきました。
その王子にひとりの年寄りが、
このいばらのやぶの向こうに城があって、
とても美しいお姫さまが、
城じゅうの家来とともに眠っているというという話をしました。
またその年寄りがおじいさんから聞いた話では、
これまでにもたくさんの王子がやってきて、
通り抜けようとしたけれど、
いばらに引っ掛かり、
棘に刺さって死んでしまったということでした。
「そんなこと、
ぼくはこわくはない」、
王子は言いました、
「やぶをかき分けて、
美しい姫を救い出してこよう」。
この「いばら姫」の物語が伝えたい大切ことが、
「そんなこと、
ぼくはこわくはない」
と、いう言葉です。
この言葉がどれほど重要かを、
これからしつこく説明しましょう。
人生はチャレンジです。
変化を恐れていてはチャレンジはできません。
チャレンジが無ければ変化もなく、
変化が無ければ成長もありません。
成長がこの人生の意義で、
冒険を求めて成長して行くのがこの人生の目的だからです。
そこでこの「ぼくはこわくない」という言葉が重要になります。
冒険はそれまでと違う世界に自分を投げ入れることです。
誰でも挑戦するには王子のこの言葉までの段取りが必要です。
その段取りがなくて挑戦しても上手くいかないでしょう。
この王子が成功に至ったのはここでこの言葉が口からでたからです。
この言葉を発せられるだけに充分に準備が整っていたからです。
この言葉を発せられる心境になってはじめて挑戦が可能だからです。
人は挑戦を怖がります。
夢の勉強に取り組んで、
夢の伝える意味を汲むのはそれに比べて簡単だし、
わかり易いし、だから納得もできます。
自分が取り組むべきは「成る程これなのだ」と、
いくつかの夢の意を紐解けばわかってきます。
けれどいざ夢のメッセージを行動に移す段になると怖じ気づいて、
それまでの勉強を活かすことが出来ません。
どうして挑戦を、チャレンジを、
あるいは変化を怖がるのでしょう。
もちろん変化を許すとは、
慣れ親しんでいない状態に適応できる自分を信じることなのですが、
ここで多くの人は足踏みするばかりとなります。
一歩を踏み出すことが出来ません。
そこで、この王子を見習いましょう。
王子はまず挑戦に先立ち何をしたでしょうか。
彼は自分の国から出て、
知らない国を旅してやってきました。
「あるとき、ひとりの王子がこの国を旅してきました。」を、
たくさんの国を旅していた途中にこの国にやってきたと読んでみましょう。
自分から問題に挑む心の筋力をつけるには、
知らない世界を知ろうというオープンな心が必要です。
これを読まれて、
それはむずかしいと思われ、
オープンな心を自分は持つことはなかったと思われますか。
わたしたちは学校に行くことで、
小さいながら他国への旅をしてきました。
人の集まりの枠が変わると、
価値観も評価も変わるものだとどこかで気付きませんでしたか。
幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学と枠はどんどん変わります。
そのどこかで人の評価は枠に依って変わるものだと悟ったでしょう。
これは大切な悟りです。
たとえいじめにあったとしても、
それはその枠だけのこと。
枠から出てしまえば、
いじめは追いかけてきません。
記憶だけがいじめをあったことにします。
「旅」に込められた象徴は、
このようにひとつの体験に執着しない心構えを教えています。
次に、挑戦するための課題に出会って行くのですが、
王子は情報収集が的確です。
情報提供者は「年寄り」です。
男性で人生を長く生きてきた人生の先輩です。
年寄りは「その年寄りがおじいさんから聞いた話」までしてくれます。
これは情報が確かなもので、
長い年月に依って精査されているという暗喩です。
情報提供者は男性性の優れた者である必要があります。
つまり挑戦するには、
その課題を男性性の特徴である分析的に順序立てて理解する必要があります。
ちなみに余談ですが、
夢ではこの段階を咀嚼や料理として場面構成をする場合があります。
王子が知る必要のあることは、
美しい姫がお城の中に眠っていること。
つまり直面すべき、獲得すべき課題は、「美しいお姫さま」です。
「美しい」とは恩寵深い存在だと言うこと。
「お姫さま」とは自分の片割れ。
異性のこと。
つまり、自分が統合すべき恩寵深い半身の存在です。
その存在に気付く必要が無ければ、獲得という冒険、
つまりチャレンジは出来ません。
異性が大切で、
それと直面することが大事だと納得できたのがこのときの王子でした。
何故納得できたか?
その情報が年寄りから自分に向けてもたらされたからです。
ここで言う年寄りに込められた意味は智慧のことでしょう。
年寄りとは、
この世への欲も得も遥かなものになった人のことです。
年寄りとは、
欲を超えて智慧を後世に伝える存在です。
智慧あるものは言います。
挑戦者はこれまでにたくさんいたと。
これで挑戦に失敗したものの情報を王子は得ていたことがわかります。
失敗の原因は、
「いばらに引っ掛かり、棘に刺さって死んでしまった」からです。
いばらの棘とは何でしょう。
道を塞ぐ雑多なことごと。
道々こまごまとした煩わしいことがいくつもありますす。
人生の道を歩いているつもりが、
その雑多なことに気を取られ、
本来の目的、霊性を磨き成長して行くことという目的を忘れます。
例え自己の伴侶に出会ったとしても、
本来の目的を忘れてしまえば、
その伴侶は「美しいお姫さま」ではないことになります。
人生の目的を知ることが無ければ生きて死んでいることと同じです。
しっかりした真実の情報を得ることのできた王子は言います。
「そんなこと、
ぼくはこわくはない」と。
「こわくない」と言えるのは怖いことを知っている証拠です。
怖いことを視野に入れながら、
怖いことに油断せずにいようと自分に言い聞かせることが出来てはじめて、
「こわくない」と言えます。
ここまでを卑近な例でお話すると、
夢のメッセージを行動に移す前に、
多くの人は年寄りが心の中に存在させられていないように思います。
「年寄り」とは繰り返しますが、
欲得なく霊性だけで判断できる分析力のある智慧を言います。
例えば、結婚したいと言う願望は霊性の願いです。
この霊性の願いを霊性が望むことだから叶えようとすれば、
「年寄り」の登場を待たなくてはなりません。
しかし結婚願望を霊性の願望と考えることが出来ません。
結婚したいと言う願望が出てきても、
「年寄り」の登場を待たずに、
子供の要求と考えたりします。
すると子供ですから恐怖のままに結論を出したがります。
幼稚な子供のまま、
出来る訳が無いとか、
異性が怖いと短絡的に考えるだけで、
願望を形にしようと挑む姿勢を取れません。
「年寄り」は王子の願いを叶えるためのサポート役を務めます。
その為の年寄りの側面をしっかり打ち立てなければ、
成長のための挑戦には出られません。
多く人はこの挑戦の前で足踏みをし続けます。
そうなると考え深くさせられる失敗もない代わり、
成功はもとよりありません。
何もしないと言う選択は感性を鈍らせることになります。
「やぶをかき分けて、
美しい姫を救い出してこよう」という王子の言葉には、
彼が挑戦し続ける間目的を忘れないと言う決意を読み取れます。
「やぶ」の中では、視界が悪くなります。
視界は目に見えないと言う意味ですが、
それは比喩で目的を見失うという意味でもあります。
「やぶ」をかき分けている間に目的を見失う訳です。
結婚したいという思いを叶えるには、
世事に疎くては実行に移せません。
枝葉末節と思えることにも忍耐と努力が必要になります。
「やぶをかき分けて、
美しい姫を救い出してこよう」と言う言葉の前半で、
自分のやるべき目の前のことを自分に言い聞かせ、
後半で目的が叶ったときのイメージを確認しています。
今回は冒険の前にすべきことをしっかり並べてお話しました。
ーつづくー
posted by 天の鳥船庵 at 15:25
| 夢のメッセージの取り方